2011年11月03日

イギリスから鑑定依頼

先日突然このブログを通じて、ということで

イギリスから鑑定依頼が舞い込んだ。

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海外からの鑑定依頼自体は初めてではないけど、

へぇー、イギリスでも見てくれてるんだぁ、と

やはりインターネットというツールの楽しさ

面白さを再認識させられる。


今回はご依頼主の了承のもと、その依頼品を

ご紹介させて頂くことになった。

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ご依頼主は、お名前より察するに

おそらく英国の方と国際結婚をされた

日本人女性の方、聞くと英国のご友人に鑑定を

依頼されたらしくウェブ検索で当ギャラリーを

見つけられ、遠くイギリスより当ギャラリーに

ご連絡を下さったわけです。 

依頼品は焼き物、日本の伊万里焼だった。 

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そう、古伊万里蒐集家の方ならすぐに、

「 幕末明治の色絵ですね。 」 と分かるはずだ。

上は器形が輪花で見込みが花籠文に回りが花鳥文、

下のお皿は色絵祥瑞風の幾何学文用、いづれも

八寸ぐらいのものでしょうか。

もちろん作品自体は真面目な有田焼、

本物に間違いないのですが、この二枚のお皿の

面白いところは、その裏銘にあります。

「 羊城戊辰年製 」 の 「 戊辰 」 は

すなわち ( つちのえたつ ) 。 

この干支二つの組み合わせは60年周期なので

この手の伊万里焼が総じて幕末〜明治の手で

あることから、その時代の戊辰の年は、即ち、

1868年(慶応4年・明治元年)のことで、

薩長中心のの新政府軍が幕府軍と戦った日本の

Civil War あの 「 戊辰戦争 」 の年に

焼かれたということが分かるのです。
 
「 羊城 」 というのは通常中国の広州を意味する

言葉なのですが古い有田焼には中国磁器の裏銘を

模したものがありますので、恐らくこのお皿の

羊城そのものには深い意味はないと思います。

いづれにしても年号入りの古伊万里は数が比較的

少ないので幕末〜明治の作品の中でも、

それなりに珍しいと言えますね。



戊辰戦争の年、1868年に佐賀県で焼かれたお皿が、

どのような旅をして150年後の今、英国のお屋敷に

収まってるこの不思議。歴史浪漫を感じると共に、

この大量生産・大量消費の現代社会において、

外国のものであっても古き良きものを大切にして

くれるブリティッシュ・ジェントリーの

ライフスタイルに感謝したいものです。




そういえば、私の母校も今年創立100周年で、

先日、記念式典と祝賀会が盛大にありました。

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私も現役PTA役員でもあるので出席しましたが、

やはり100年の歴史というのは重みがあります。

・・・・でも今回のお皿には負けてるけど、

・・・比べる方がおかしい、、、確かに


まだノスタルジックになる年ではないと

思ってますが、 「 受け継がれること 」 の

素晴らしさというのは、やっぱあるよね。

何十年も歌ってなかった校歌が、現役の時には

真面目に歌った記憶もないあの校歌が、今でも

すらすら歌えるのには自分でも可笑しくなった。




話を戻して、下の写真も同じ英国の方の持ち物です。

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染付人物文水注 輸出用伊万里 ( 江戸時代 )


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銅製双鶴文ペーパーナイフ 明治頃の輸出用金工?

個人的には写真撮影のためにナイフを置いている

マホガニー製の家具にも興味があるなぁー、

ジョージアンスタイルかなぁー? それとも

ヴィクトリアンかなぁー?全体を見たいですね。

英国では家具は代々受け継がれ家風そのものを

表すものなので大切にされるべきものなんです、ハイ。

それでは、また。
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posted by キャプテン at 12:32 | Comment(0) | 無料鑑定
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