ご依頼主は、お名前より察するに
おそらく英国の方と国際結婚をされた
日本人女性の方、聞くと英国のご友人に鑑定を
依頼されたらしくウェブ検索で当ギャラリーを
見つけられ、遠くイギリスより当ギャラリーに
ご連絡を下さったわけです。
依頼品は焼き物、日本の伊万里焼だった。
そう、古伊万里蒐集家の方ならすぐに、
「 幕末明治の色絵ですね。 」 と分かるはずだ。
上は器形が輪花で見込みが花籠文に回りが花鳥文、
下のお皿は色絵祥瑞風の幾何学文用、いづれも
八寸ぐらいのものでしょうか。
もちろん作品自体は真面目な有田焼、
本物に間違いないのですが、この二枚のお皿の
面白いところは、その裏銘にあります。
「 羊城戊辰年製 」 の 「 戊辰 」 は
すなわち ( つちのえたつ ) 。
この干支二つの組み合わせは60年周期なので
この手の伊万里焼が総じて幕末〜明治の手で
あることから、その時代の戊辰の年は、即ち、
1868年(慶応4年・明治元年)のことで、
薩長中心のの新政府軍が幕府軍と戦った日本の
Civil War あの 「 戊辰戦争 」 の年に
焼かれたということが分かるのです。
「 羊城 」 というのは通常中国の広州を意味する
言葉なのですが古い有田焼には中国磁器の裏銘を
模したものがありますので、恐らくこのお皿の
羊城そのものには深い意味はないと思います。
いづれにしても年号入りの古伊万里は数が比較的
少ないので幕末〜明治の作品の中でも、
それなりに珍しいと言えますね。
戊辰戦争の年、1868年に佐賀県で焼かれたお皿が、
どのような旅をして150年後の今、英国のお屋敷に
収まってるこの不思議。歴史浪漫を感じると共に、
この大量生産・大量消費の現代社会において、
外国のものであっても古き良きものを大切にして
くれるブリティッシュ・ジェントリーの
ライフスタイルに感謝したいものです。
そういえば、私の母校も今年創立100周年で、
先日、記念式典と祝賀会が盛大にありました。
私も現役PTA役員でもあるので出席しましたが、
やはり100年の歴史というのは重みがあります。
・・・・でも今回のお皿には負けてるけど、
・・・比べる方がおかしい、、、確かに
まだノスタルジックになる年ではないと
思ってますが、 「 受け継がれること 」 の
素晴らしさというのは、やっぱあるよね。
何十年も歌ってなかった校歌が、現役の時には
真面目に歌った記憶もないあの校歌が、今でも
すらすら歌えるのには自分でも可笑しくなった。
話を戻して、下の写真も同じ英国の方の持ち物です。
染付人物文水注 輸出用伊万里 ( 江戸時代 )
銅製双鶴文ペーパーナイフ 明治頃の輸出用金工?
個人的には写真撮影のためにナイフを置いている
マホガニー製の家具にも興味があるなぁー、
ジョージアンスタイルかなぁー? それとも
ヴィクトリアンかなぁー?全体を見たいですね。
英国では家具は代々受け継がれ家風そのものを
表すものなので大切にされるべきものなんです、ハイ。
それでは、また。
story by アートギャラリー甲比丹 無料鑑定 出張鑑定 骨董 古美術 株式会社キーアクト
おそらく英国の方と国際結婚をされた
日本人女性の方、聞くと英国のご友人に鑑定を
依頼されたらしくウェブ検索で当ギャラリーを
見つけられ、遠くイギリスより当ギャラリーに
ご連絡を下さったわけです。
依頼品は焼き物、日本の伊万里焼だった。
そう、古伊万里蒐集家の方ならすぐに、
「 幕末明治の色絵ですね。 」 と分かるはずだ。
上は器形が輪花で見込みが花籠文に回りが花鳥文、
下のお皿は色絵祥瑞風の幾何学文用、いづれも
八寸ぐらいのものでしょうか。
もちろん作品自体は真面目な有田焼、
本物に間違いないのですが、この二枚のお皿の
面白いところは、その裏銘にあります。
「 羊城戊辰年製 」 の 「 戊辰 」 は
すなわち ( つちのえたつ ) 。
この干支二つの組み合わせは60年周期なので
この手の伊万里焼が総じて幕末〜明治の手で
あることから、その時代の戊辰の年は、即ち、
1868年(慶応4年・明治元年)のことで、
薩長中心のの新政府軍が幕府軍と戦った日本の
Civil War あの 「 戊辰戦争 」 の年に
焼かれたということが分かるのです。
「 羊城 」 というのは通常中国の広州を意味する
言葉なのですが古い有田焼には中国磁器の裏銘を
模したものがありますので、恐らくこのお皿の
羊城そのものには深い意味はないと思います。
いづれにしても年号入りの古伊万里は数が比較的
少ないので幕末〜明治の作品の中でも、
それなりに珍しいと言えますね。
戊辰戦争の年、1868年に佐賀県で焼かれたお皿が、
どのような旅をして150年後の今、英国のお屋敷に
収まってるこの不思議。歴史浪漫を感じると共に、
この大量生産・大量消費の現代社会において、
外国のものであっても古き良きものを大切にして
くれるブリティッシュ・ジェントリーの
ライフスタイルに感謝したいものです。
そういえば、私の母校も今年創立100周年で、
先日、記念式典と祝賀会が盛大にありました。
私も現役PTA役員でもあるので出席しましたが、
やはり100年の歴史というのは重みがあります。
・・・・でも今回のお皿には負けてるけど、
・・・比べる方がおかしい、、、確かに
まだノスタルジックになる年ではないと
思ってますが、 「 受け継がれること 」 の
素晴らしさというのは、やっぱあるよね。
何十年も歌ってなかった校歌が、現役の時には
真面目に歌った記憶もないあの校歌が、今でも
すらすら歌えるのには自分でも可笑しくなった。
話を戻して、下の写真も同じ英国の方の持ち物です。
染付人物文水注 輸出用伊万里 ( 江戸時代 )
銅製双鶴文ペーパーナイフ 明治頃の輸出用金工?
個人的には写真撮影のためにナイフを置いている
マホガニー製の家具にも興味があるなぁー、
ジョージアンスタイルかなぁー? それとも
ヴィクトリアンかなぁー?全体を見たいですね。
英国では家具は代々受け継がれ家風そのものを
表すものなので大切にされるべきものなんです、ハイ。
それでは、また。
story by アートギャラリー甲比丹 無料鑑定 出張鑑定 骨董 古美術 株式会社キーアクト
Season’s Greetings 2011 by keiko (12/25)