2011年06月21日

京薩摩とアールヌーボー

「 京薩摩 」 と呼ばれる焼き物がある。

名前から察すると京都で写された薩摩風の

焼き物というイメージがあるのですが、

よくよく観察すると全然異質の焼き物

であることが分かってきます。

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京薩摩 色絵花蝶文花器 大日本帯山製 高さ31cm 明治時代

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確かに白釉陶胎に細かい表面ガラス層の磁貫は

薩摩焼のそれに似ているが、絵付けやモチーフ、

特に写実的な表現方法は薩摩焼とは全く違う。

まさに 「 アールヌーボー 」 、というよりむしろ、

海外のアールヌーボー作家達に影響を与えた作品、

とも言えるのではないでしょうか。 

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京薩摩 色絵花蝶文花器 大日本帯山製 高さ31cm 明治時代

ご成約済み ありがとうございました。


事実、この花瓶を作った九代帯山与平衛は

明治維新後すぐに殖産興業のために

輸出に力を入れ、海外での万国博覧会でも

銀牌を受賞するなど大活躍をしたようです。 

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それにしても、絵付けが精彩美麗、花びら一枚、

蝶の羽一枚に至るまで精緻丁寧に表現されており、

今にも花瓶から蝶が飛び立ちそうな雰囲気です。


帯山家は京都粟田口で錦光山家と並んで京薩摩を

代表する窯屋で、帯山与平衛は明治時代の京都

陶芸界の指導的立場にあった人物のようです。 

明治27年には粟田口の窯は閉じてしまいましたが

この作品のように明治時代の優品の多くは輸出品

だったので、海外で大切にされ続け、結果として

現代の日本に里帰りして戻ってきているのです。

洋の東西を問わず、アールヌーボー芸術を好きな

コレクターで所望しておきたい一点だと思います。


ご興味のある方はお気軽に 「 お問合せ 」 から、ご連絡くださいませ。

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posted by キャプテン at 10:06 | Comment(0) | 商品紹介
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