欧州の陶磁器によく登場する
ウィローパターン ( 柳の図 ) という絵柄がある。
![blue1.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue1-thumbnail2.jpg)
![blue3.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue3-thumbnail2.jpg)
ブルーウィロー八寸皿 ( 20世紀初頭、デルフト )
一般的には楼閣、塀、橋、三人の人物、船、島、
そして柳の木が盛り込まれ、コバルト ( 青呉須 ) の
ディキャル ( 転写技法 ) の作品なので、欧米では
青い柳 = ブルーウィローと呼ばれています。
身近なところでは英国の老舗紅茶ブランドの
フォートナム&メイソンやトワイニングの茶器に
採用されてるのはご存知の通りなのですが、
欧米で人気のこの絵柄、よく見るとなんとも
オリエンタルな雰囲気でしょ。
この絵柄に隠された物語を紹介します。
記事の続きは右下の 「 続きを読む 」 をクリックしてください。
story by アートギャラリー甲比丹 無料鑑定 出張鑑定 骨董 古美術 株式会社キーアクト
ウィローパターン ( 柳の図 ) という絵柄がある。
![blue1.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue1-thumbnail2.jpg)
![blue3.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue3-thumbnail2.jpg)
ブルーウィロー八寸皿 ( 20世紀初頭、デルフト )
一般的には楼閣、塀、橋、三人の人物、船、島、
そして柳の木が盛り込まれ、コバルト ( 青呉須 ) の
ディキャル ( 転写技法 ) の作品なので、欧米では
青い柳 = ブルーウィローと呼ばれています。
身近なところでは英国の老舗紅茶ブランドの
フォートナム&メイソンやトワイニングの茶器に
採用されてるのはご存知の通りなのですが、
欧米で人気のこの絵柄、よく見るとなんとも
オリエンタルな雰囲気でしょ。
この絵柄に隠された物語を紹介します。
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実はこの絵柄、遠い昔の中国の悲恋物語がモチーフになってます。
![blue2.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue2-thumbnail2.jpg)
昔々の中国、豪邸に住む政府の高級官吏の
娘でクーン・セ ( koong-se ) という名の
大変美しい女性がいました。
彼女はお屋敷で経理担当秘書官として
雇われていた身分の低いけど働き者で
有能なチャン ( Chung ) という若者と
恋に落ちてしまいます。 しかしそれは
身分が違う二人の禁断の恋だったのです。
それを知った高官の父親は激怒し、
チャンを解雇し屋敷の周りにフェンスを
張り巡らして二人が会えないようにする
ばかりか、クーンセを身分の高い青年将校
タージン ( Ta-jin ) と無理矢理結婚
させようとします。 美しい娘と結婚
できると喜んだ軍人タージンはプレゼントの
宝石箱を手に船でお屋敷に到着します。
結婚式の前夜、チャンは屋敷の侍女たちの
手引きで密かにお屋敷に忍び込みました。
チャンは“ 一緒に逃げよう ” とクーンセを
誘い二人は屋敷を抜け出しますが、途中、
父親に見つかってしまいます。 二人は懸命に
橋を渡り逃げ父親は追いかけます。
なんとか小船を見つけた二人は、屋敷を離れ
遠くの小島に駆け落ちをします。
数年間二人は幸せに暮らすのですが、
とうとう恥をかかされた青年将校タージンに
居所を見つかってしまい、チャンは捕まり
殺されてしまったのです。 それを知った
クーンセも自ら命を絶ちます。
その純愛を知った神様は二人を二羽の小鳥
に変え、永遠の愛を与えました。
という戯話なのですが、その場面、場面が
このブルーウィローというお皿の絵柄に
表現されているのです。 橋の上の三人は
宝石箱を持つチャン、純潔を表す糸巻きを
持つクーンセ、そして逃げる二人を鞭を
振り上げて追いかける官吏の父親の図。
また、左上の二人が逃げるのに使った船と
逃避行先の島、そして仲良く戯れて飛ぶ
二羽の小鳥も描かれています。
もちろん、名前の由来となった柳の木や、
大きな屋敷、フェンスなどもありますね。
よく見るこのウィローパターンには
かくも多くの中国の悲恋物語が
隠されていたのです。
![blue5.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue5-thumbnail2.jpg)
違うパターンのブルー&ホワイト七寸皿 ( 19世紀、デルフト )
![blue6.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue6-thumbnail2.jpg)
このブルーウィローの絵柄は世界中の有名
陶磁器メーカーが昔から使っていますので
アンティーク好きの人なら一度は目にした
ことがあると思うのですが、この絵柄には
中国の悲恋物語が隠されていることを知って
いる人はウィローパターン通と言えます。
でも、実はこの物語には更に裏話があります。
ここからが知る人ぞ知る、のお話。
実はこの物語は中国とは全く関係が無く、
絵柄の考案者は英国のローヤル・ウースターから
独立しカーフレイの窯を買収したトーマス・
ターナーという人物が1780年に考案したと
されています。 その後、カーフレイ窯の衰退に
より、実際に最初の量産体制をとったのは
ミントン社のトーマス・ミントンだと言われて
います。 トーマスは彼は自社の製品の販売促進
のために絵柄にストーリー性を持たせたのが
この悲恋物語の始まりらしいのです。
やはり当時はシノワズリー ( 東洋趣味 ) が
流行っていたからなのでしょう。
![blue1.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue1-thumbnail2.jpg)
その後、この絵柄は大成功を収め、英国の
ウースターやスポード、ウェッジウッドなど
有名メーカーは言うに及ばず、オランダは
デルフトのルグー窯などでもいろんな
パターンのブルーウィローが焼かれ最終的
には日本にも伝播して大戦戦前後から
日本製のブルーウィローもたくさん焼かれる
ようになり、現在も世界中で使われている
大ヒットデザインなのです。 おわり
![blue2.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue2-thumbnail2.jpg)
昔々の中国、豪邸に住む政府の高級官吏の
娘でクーン・セ ( koong-se ) という名の
大変美しい女性がいました。
彼女はお屋敷で経理担当秘書官として
雇われていた身分の低いけど働き者で
有能なチャン ( Chung ) という若者と
恋に落ちてしまいます。 しかしそれは
身分が違う二人の禁断の恋だったのです。
それを知った高官の父親は激怒し、
チャンを解雇し屋敷の周りにフェンスを
張り巡らして二人が会えないようにする
ばかりか、クーンセを身分の高い青年将校
タージン ( Ta-jin ) と無理矢理結婚
させようとします。 美しい娘と結婚
できると喜んだ軍人タージンはプレゼントの
宝石箱を手に船でお屋敷に到着します。
結婚式の前夜、チャンは屋敷の侍女たちの
手引きで密かにお屋敷に忍び込みました。
チャンは“ 一緒に逃げよう ” とクーンセを
誘い二人は屋敷を抜け出しますが、途中、
父親に見つかってしまいます。 二人は懸命に
橋を渡り逃げ父親は追いかけます。
なんとか小船を見つけた二人は、屋敷を離れ
遠くの小島に駆け落ちをします。
数年間二人は幸せに暮らすのですが、
とうとう恥をかかされた青年将校タージンに
居所を見つかってしまい、チャンは捕まり
殺されてしまったのです。 それを知った
クーンセも自ら命を絶ちます。
その純愛を知った神様は二人を二羽の小鳥
に変え、永遠の愛を与えました。
という戯話なのですが、その場面、場面が
このブルーウィローというお皿の絵柄に
表現されているのです。 橋の上の三人は
宝石箱を持つチャン、純潔を表す糸巻きを
持つクーンセ、そして逃げる二人を鞭を
振り上げて追いかける官吏の父親の図。
また、左上の二人が逃げるのに使った船と
逃避行先の島、そして仲良く戯れて飛ぶ
二羽の小鳥も描かれています。
もちろん、名前の由来となった柳の木や、
大きな屋敷、フェンスなどもありますね。
よく見るこのウィローパターンには
かくも多くの中国の悲恋物語が
隠されていたのです。
![blue5.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue5-thumbnail2.jpg)
違うパターンのブルー&ホワイト七寸皿 ( 19世紀、デルフト )
![blue6.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue6-thumbnail2.jpg)
このブルーウィローの絵柄は世界中の有名
陶磁器メーカーが昔から使っていますので
アンティーク好きの人なら一度は目にした
ことがあると思うのですが、この絵柄には
中国の悲恋物語が隠されていることを知って
いる人はウィローパターン通と言えます。
でも、実はこの物語には更に裏話があります。
ここからが知る人ぞ知る、のお話。
実はこの物語は中国とは全く関係が無く、
絵柄の考案者は英国のローヤル・ウースターから
独立しカーフレイの窯を買収したトーマス・
ターナーという人物が1780年に考案したと
されています。 その後、カーフレイ窯の衰退に
より、実際に最初の量産体制をとったのは
ミントン社のトーマス・ミントンだと言われて
います。 トーマスは彼は自社の製品の販売促進
のために絵柄にストーリー性を持たせたのが
この悲恋物語の始まりらしいのです。
やはり当時はシノワズリー ( 東洋趣味 ) が
流行っていたからなのでしょう。
![blue1.jpg](http://kapitan.b1388.jp/image/blue1-thumbnail2.jpg)
その後、この絵柄は大成功を収め、英国の
ウースターやスポード、ウェッジウッドなど
有名メーカーは言うに及ばず、オランダは
デルフトのルグー窯などでもいろんな
パターンのブルーウィローが焼かれ最終的
には日本にも伝播して大戦戦前後から
日本製のブルーウィローもたくさん焼かれる
ようになり、現在も世界中で使われている
大ヒットデザインなのです。 おわり
Season’s Greetings 2011 by keiko (12/25)